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パウエル議長ハト派発言でドル売り

昨日の海外市場では、米追加経済政策が2兆ドルの規模になるとの報道に米長期金利が上昇した東京市場の流れが継続し、全般的にドル買いが先行。前回ECB理事会でユーロ高が懸念されたことが明らかになったことやイタリアの政局不安も重しとなりユーロドルの下落が顕著でした。しかしNY時間には米新規失業保険申請件数の悪化を機にドル買いは一服、パウエルFRB議長のハト派発言に一転ドル売りが強まり、ポンドドルは年初来高値を更新、ユーロドルは結局行って来いの一日となりました。ドル円は104円台を維持できず103円台後半で引けています。

▶ドル買い一服も欧州通貨の上値重い

バイデン次期大統領による追加経済政策が2兆ドルの規模になるとの報道に米長期金利が上昇したことから強まったドル買いは欧州序盤に一服となり、ポンドドルは1.3620ドル台を底に1.3680ドル付近まで上昇しましたが、ユーロポンドの買い戻しに失速し1.3630ドル台へと値を戻しました。ユーロドルも1.2130ドル台が底堅く1.2160ドル台まで上昇したものの上値は重く1.21ドル台半ばでNY時間を迎えました。ドル円は欧州時間を通じて104円を挟んでのもみ合いに終始しました。

▶パウエル議長ハト派発言でドル売り

21時台に公表された議事録で、前回ECB理事会においてユーロ高に懸念が示されたことが明らかになるとユーロドルは週初からサポートとなっていた1.2130ドル台を下抜け1.21115ドルまで下落し安値を付けました。ポンドドルもつれ安となり1.3620ドル付近まで下落し東京安値に迫りました。

しかし22時半発表の米新規失業保険申請件数が増加する結果となるとドル買いは一服。米株が高く寄り付くとポンドドルはじり高となり欧州高値を上抜け1.37ドルに接近、ドル円は104円を割り込むと下げ足を速め103.60円台まで下げ幅を広げました。

ユーロドルもまたポンドにつれ反発、1.21ドル台半ばを回復するなか、2時台にパウエルFRB議長の早期利上げを否定する発言が報じられるとドルは一段安となり、ユーロドルは1.21781ドルまで上昇、ポンドドルは4日高値を上抜け1.37092ドルまで高値を更新しました。ドル円も103.566円まで安値を更新したものの、前日安値を前に下げ止まりました。

その後引けにかけ米10年債利回りが上昇するとドルは買い戻され、結局ユーロドルは1.2155ドル付近でクローズし、行って来いの一日となったほか、ポンドドルは1.3690ドル付近の高値圏で引け、ドル円は103.80円台に値を戻して取引を終えました。


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