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今週の相場予想 2022/2/14~

先週末の海外市場では、NY午後、ロシアによるウクライナ侵攻の可能性が高まったとの報道に米株が急落、一時2.06%台まで上昇した米10年債利回りが1.90%台まで急低下したことからドル買い・円買いが進み、ドル円は115円台後半から115円ちょうど付近まで反落し、ユーロドルは1.13ドル台後半から1.1330ドル台へと下落、その結果ユーロ円は30分ほどで132円付近から130.40円付近まで急落しました。

▶ドル円、じり安から急落

ドル円は116円台前半で欧州時間を迎えると、17時過ぎには米10年債利回りの低下に伴いアジア時間安値@115.959円を下抜け115.88円付近まで安値を更新しましたが売りは続かず116.10円付近まで反発しました。しかし上値も重く116円ちょうど付近へ再び弱含むなかNY時間を迎えました。

NY勢参入とともに、対ポンドやオセアニア通貨でドル売りが先行するとドル円は徐々にじり安に転じ、22時過ぎには外務省が「ウクライナ全土に邦人退避を勧告」すると欧州安値を更新。24時発表の米2月ミシガン速報値が予想を下振れると(61.7 予想67.0)115.77円付近まで下げ幅を広げました。

しかし、前日NY安値@115.732円を前に下げ渋るなか、米10年債利回りが2%付近から2019年7月以来の水準となる2.0609%まで急上昇するとドル円は反発。もっとも依然上値は重く116円にも届かず、米10年債利回りの上昇が一服すると115.90円台での小動きとなりました。

ところが、3時半過ぎに「米国は来週にもロシアがウクライナに侵攻すると予想」と報じられると米株が急落、米債券は買われ米10年債利回りが急低下するとドル買い・円買いが強まり、ユーロドルは1.1390ドル台から1.1330ドル台へ下落、ドル円は115.80円台から115.02円の安値をつけ、ユーロ円は30分ほどで132円ちょうど付近から130.392円まで急落しました。

その後、サリバン・米大統領補佐官が「ロシアのウクライナ侵攻がすぐにでも始まる可能性がある」としつつも「プーチン露大統領が最終決定を下したとは断定しない」と述べると、ドル買い・円買いも一服となりましたが、週末を前に戻りは限定的でドル円は115.40円付近で取引を終えました。

▶ユーロ3日ぶり反落、ポンドは行って来い

ユーロドルは欧州序盤に前日安値@1.13752ドルを下抜けましたが、1.1370ドル付近で下げ止まるとポンドの上昇につれ反発、1.14ドルちょうど付近まで値を戻しました。

ポンドドルは1.3515ドルを底に反転上昇、1.3570ドル台まで上値を伸ばし、ポンド円は157円台に乗せ、ユーロポンドは0.84ポンドを割り込むなどポンド全面高となるなかNY勢を迎えました。

NY勢参入後、ポンドやオセアニア通貨が対ドルで強含み、ポンドドルは1.36ドル手前まで続伸すると、ユーロドルもつれ高となり1.1418ドル付近まで上昇しましたが、ユーロポンドが一段安となると1.1380ドル付近へと失速、その後は1.14ドルちょうどを挟んでのもみ合いが続きました。

3時半過ぎ、前述のウクライナに関する報道を受けユーロドルは急落、5時前には1.13301ドルまで安値を更新し、1.1350ドル近辺で取引を終えました。

一方ポンドドルは、BOEの利上げ前倒し観測が強まり英金利が上昇したことから、24時台には1.36087ドルまで高値を更新、高値圏でのもみ合いとなるなかウクライナショックで1.3540ドル台へと反落したのち1.3560ドル台で引け結局行って来いの一日となりました。

<海外レンジ>
ドル円  :115.020 – 116.110
ユーロドル:1.13301 – 1.14179
ポンドドル:1.35150 – 1.36087
ユーロ円 :130.392 – 132.304

▶その他

格付け機関フィッチはトルコの格付けを「B+」に引き下げ。見通しはネガティブ。

デイリー・SF連銀総裁は13日「急激でアグレッシブな行動は不安定要因になりかねない」 「3月に行動後は、状況を注視しデータに基づき慎重に」と述べた。

今週の主な予定です。

■14日(月)

22:00  ポーランド・12月経常収支/貿易収支
22:30 ★ブラード・セントルイス連銀総裁 インタビュー

01:15 ★ラガルド・ECB総裁 欧州議会出席

■15日(火)

08:50  日・第4四半期GDP(速報値)
09:30  RBA(豪準備銀)議事要旨
16:00  英・1月雇用統計
18:00  ポーランド・第4四半期GDP(速報値)/1月消費者物価指数
19:00  独・2月ZEW景況指数
19:00  ユーロ圏・第4四半期GDP(改定値)/雇用者数(速報値)
     /2月ZEW景況指数/12月貿易収支
22:15  加・1月住宅着工件数
22:30  米・2月NY連銀製造業景気指数/1月生産者物価指数

02:30 ★ビルロワドガロー・仏中銀総裁 講演
06:00  米・12月対米証券投資収支

■16日(水)

10:30  中国・1月生産者物価指数/消費者物価指数
16:00  英・1月生産者物価指数/消費者物価指数/小売物価指数
19:00  ユーロ圏・12月鉱工業生産
22:30  米・1月小売売上高/輸入物価指数
22:30  加・1月消費者物価指数
23:15  米・1月鉱工業生産/設備稼働率

01:00 ★カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 イベント参加
03:00  米20年債入札
04:00  米・FOMC議事録公表

■17日(木)

08:50  日・1月通関ベース貿易収支/12月機械受注
09:30  豪・1月雇用統計
16:00  スイス・1月貿易収支
17:45 ★デコス・スペイン中銀総裁 イベント参加
20:00  トルコ中銀(TCMB)政策金利発表
22:30  米・2月フィラデルフィア連銀景況指数
     /新規失業保険申請件数/1月住宅着工件数/建設許可件数
23:00 ★レーン・ECB理事 イベント参加

01:00 ★ブラード・セントルイス連銀総裁 イベント参加 
06:45  NZ・第4四半期生産者物価指数

■18日(金)

07:00 ★メスター・クリーブランド連銀総裁 講演
08:30  日・1月全国消費者物価指数
16:00  英・1月小売売上高
16:30  スイス・第4四半期鉱工業生産
18:00  ポーランド・1月生産者物価指数
18:00  ユーロ圏・12月経常収支
22:30  加・12月小売売上高

00:00  米・1月景気先行指数/中古住宅販売件数
00:45 ★ウォラー・FRB理事/エヴァンス・シカゴ連銀総裁 討論会参加
01:00 ★ウィリアムズ・NY連銀総裁 討論会参加 
03:30 ★パネッタ・ECB理事 討論会参加


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