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今週の相場予想 2022/3/07~

先週末の海外市場では、米2月雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数が予想を上回り、失業率は改善しましたが、平均時給が予想を下回ったことからインフレが賃金に波及していないとの見方が広がり米10年債利回りが低下。その後、ウクライナ情勢の悪化に米株が下げ幅を広げると、ドル円はクロス円の売りに伴い114.60円台まで下落しました。ユーロドルは2020年5月以来となる1.08ドル台後半、ユーロ円は2020年12月以来となる125円手前まで年初来安値を更新するなど、ユーロは全面安となりました。

▶欧州通貨軟調、オセアニア通貨堅調

欧州序盤、ダウ先物が下落幅を縮める動きにもユーロドルの反応は鈍く1.1030ドル付近からじり安に推移。欧州株の大幅安を受け、20時過ぎには1.10ドルを割り込み1.0970ドル台まで下落しました。ポンドドルもまた軟調に推移。1.3340ドル台を高値に1.3280ドル台まで弱含み安値圏でNY勢を迎えました。

一方、オセアニア通貨は資源高を受け底堅く推移。豪ドルは一時0.7370ドル台、NZドルは0.6840ドル台まで高値を更新しました。

ドル円はダウ先物の買戻しにつれ買いが先行したものの115.50円台は重く、米雇用統計を控え115.40円を挟んでのもみ合いが続くなかNY時間となりました。

▶ユーロドル1.09ドル割れ、ドル円急落

21時頃、ロシア側から、「プーチン大統領とバイデン大統領との間での会談に関し何も話し合われていない」と報じられるとウクライナ情勢悪化への懸念が高まりユーロドルは1.0920ドル台まで一段安に。ポンドドルも1.3250ドル台まで続落するなか米2月雇用統計の発表を迎えました。

米2月雇用統計は、非農業部門雇用者数は67.8万人と予想42.3万人を上回り、失業率は3.8%に改善しましたが、平均時給が前月比/前年比ともに予想を下回ったことから(±0.0%/+5.1% 予想:+0.5%/+5.8%)雇用が拡大するなか賃金インフレが抑えられているとの見方に米10年債利回りが低下しました。

発表直後こそ反応は限定的だったものの、ユーロ円が一段安となり126円を割り込むと、ユーロドルは1.09ドルを下抜け1.08860ドルの安値を付けました。

もみ合いが続いていたドル円は、米株が大幅安で寄り付くと持合いを下抜け急落、NY昼前には114.652円まで安値を更新、ユーロ円は2020年12月以来となる125.076円まで大幅安となりました。

NY午後に入り米株が下げ幅を縮小、米10年債利回りも持ち直したことからユーロドルは1.0930ドル台まで反発、ドル円は114.90円手前まで値を戻し取引を終えました。

<海外レンジ>
ドル円:114.652 – 115.533
ユーロドル:1.08860 – 1.10316
ポンドドル:1.32036 – 1.33444
ユーロ円:125.076 – 127.417

今週の主な予定です。

■7日(月)

15:45  スイス・2月失業率
16:00  独・1月小売売上高/製造業受注

■8日(火)

08:50  日・1月経常収支/貿易収支
09:30  豪・2月NAB企業信頼感
16:00  独・1月鉱工業生産
19:00  ユーロ圏・第4四半期GDP(確報値)
22:20  米・1月貿易収支
22:30  加・1月貿易収支

時間未定 ポーランド国立銀行 政策金利発表

■9日(水)

07:15 ★ロウ・RBA(豪中銀)総裁 講演
08:50  日・第4四半期GDP(確報値)
10:30  中国・2月生産者物価指数/消費者物価指数

00:00  米・1月JOLT労働調査

■10日(木)

16:00  トルコ・1月失業率
21:45  ECB(欧州中銀)政策金利発表
22:30 ★ラガルド・ECB総裁 定例会見
22:30  米・2月消費者物価指数/新規失業保険申請件数

■11日(金)

07:15 ★ロウ・RBA(豪中銀)総裁 会議出席  
16:00  独・2月消費者物価指数(確報値)
16:00  英・統計局1月度GDP/貿易収支/鉱工業生産
16:00  トルコ・1月経常収支
21:00  メキシコ・1月鉱工業生産
22:30  加・2月失業率/雇用者数変化

00:00  米・3月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)


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