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米長期金利上昇でドル全面高

昨日の海外市場では、米長期金利の上昇につれドル買いが先行、ドル円は一時106円台を回復し、ユーロドルは1.21ドル前半へ弱含みました。その後パウエルFRB議長の下院での証言後に米長期金利が上げ幅を縮め、米株が上昇すると一転ドルは売られ、ドル円は105円台後半、ユーロドルは高値まで値を戻しました。
また、東京時間に急騰したポンドドルは一時1.4080ドル台まで反落したのち1.41ドル台半ばで引けたほか、豪ドル、NZドルは対ドル、対円で年初来の高値を更新しました。

▶米長期金利上昇でドル全面高

ダウ先物が欧州序盤に下げ止まり、NY序盤にかけて下げ幅を取り戻す動きに、クロス円全般に買いが強まりました。また1.32%台後半まで低下していた米10年債利回りが上昇を開始しドル買いが強まったこともあり、ドル円は105.50円割れから105.80円台へ上昇し火曜高値に迫りました。

東京午前に1.43ドル台半ばまで急騰したポンドドルは、1.41ドル台半ばで下げ止まり一時1.42ドル台を回復しましたが、米長期金利上昇に伴いドル買いが強まると1.41ドル半ばへと押し戻されました。一方ユーロドルは、16時発表の独第4四半期GDP確報値の上方修正が好感され底堅く推移、17時半過ぎには1.21743ドルの高値を付けましたが、全般ドル買いが強まるなか上げ渋り、1.2160ドル台でNY勢を迎えました。

▶議長証言を機に米長期金利低下、米株上昇、ドル売りに

NY参入後も米10年債利回りが底堅い動きを見せ、ダウ先物がプラス圏を維持するなか、ドル円はじり高に推移。21時半頃、米10年債利回りは上げ足を速め1.36%台から1.4337%に達すると、ドル円は17日以来となる106円台に乗せました。

ユーロドルは1.2170ドル台が重く、米長期金利の急騰を嫌気しダウ先物が反落すると、欧州安値1.21ドル半ばを下抜け1.21095ドルまで安値を更新しました。ポンドドルはNY序盤に1.41ドル半ばを下抜け戻り安値を更新した後もじり安が続き、1.41ドルを割り込みました。

24時から始まった米下院での議会証言で、パウエル議長が「インフレ、雇用目標に近づくまで、現在の債券購入ペースを維持」「インフレ目標を達成するのに3年以上かかる可能性」と述べたのに加え、ブレイナード理事の「経済は雇用と物価目標から程遠くかなりの時間を要する」との発言も伝わると、米10年債利回りが上昇幅を大幅に縮めるとともに米株が反転上昇すると、一転ドル売りが強まりました。

ユーロドルは安値圏から反発すると、引け間際には欧州高値に並び行って来いとなったほか、ポンドドルは1.41ドル半ばまで下げ幅を縮小。また特にオセアニア通貨は強含み、対ドル、対円での年初来高値を更新しました。ドル円はクロス円の買いに支えられ押し目は限定的で、105.80円台で迎えました。


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