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今週の視点

注目の米4月雇用統計はネガティブサプライズの一言・・・・・・市場は非農業部門雇用統計と失業率の改善を予想していたものの、ふたを開ければ大違い。ただ、先週は本邦GWとあってドル円は上値が実需と米系HF勢の売りなどが重なり、チャートの地合いも弱含みになり始めていた。ドルの戻り売りスタンスが形成されていた。もちろん米長期金利の動向を睨みながらの展開であつた。

4月米雇用統計結果
・米・4月失業率:6.1%(予想:5.8%、3月:6.0%)
・米・4月非農業部門雇用者数:+26.6万人(予想:+100万人、3月:+77万人←+91.6万人
・米・4月平均時給:前年比+0.3%(予想:-0.4%、3月:4.2%)

米債券市場は発表前の10年国債利回りは1.5680%まで戻す。発表直後は1.4643%まで急落したものの、平均時給が予想より良く米国債売りに即転じて発表前の水準に戻した。ドル円も109.28円付近から一時108.33円まで急落した。

今週の注目はとにかくパウエル議長が先週講演で「インフレより雇用を重視と強調したことをベースに市場での根強いテーパリング前倒し懸念後退とのシーソベームが当面続くなか、米国債入札が11日3年国債入札(580ドル)、12日10年(410億ドル)13日30年(270億ドル)、12日4月消費者物価指数・13日4月生産者物価指数・14日小売売上高・ミシガン消費者信頼感指数に注目。経済指標が先週のISM製造業と非製造業指数が冴えない結果となっており、引き続き米経済指標が予想より下回ると注目の米長期金利低下となりドル上値がさらに重く下値を試す展開となる可能性がたかまりそうだ。

ユーロドルは欧州経済回復の度合いを観ながらの動きの中、独ZEWが11日、12日に独消費者物価指数・ユーロ圏3月工業生産指数などが発表される。ECBラガルド総裁をはじめECBメンバーの発言で・・・・ユーロ高への牽制球発言の有無も影響されよう。

テクニカル的にドル円の下値の目途は節目の108円を割り込むと今年の安値 1月6日102.59円と3月31日高値110.97円のフィボナッチ戻し38.2%の107.77円をさらに割れると4月23日安値107.48円とし、上値は節目の109.00円を抜けると5月5日高値109.48円を意識し、株価と米長期金利を睨む展開


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